早朝のピーンポン・・・

トミーが家出したのが金曜日の朝だった。その日は、何だか呆気にとられていたこともあり、家中に呆然とした雰囲気が立ちこめていたのだ。

cyanさんが帰宅してからは「これではいけない!!」と思い、残された4人で散歩へ出掛けた。海の風が心地よく、気分も晴れやかになったのが嬉しい。帰る頃には、「アイスでも買ってく?」ということになり、アイスを買ったり、翌日はトミーが苦手だから食卓に登場しない「鶏肉系の料理にでもしようか?!」とさーちゃんが言った。「なら、ケンタッキーがいいな!」とcyanさんも便乗。皆、突然、居なくなったトミーのことを胸に思いながらも、それぞれの想いを抱きながらも、「前へ進もう」そんな気持ちが行動や言葉に表れていた。

しかし、トミー家出事件の物語りはここで終わりではなかったのだ。

土曜は休みなので、一連の疲れもあり、いつもは5時台に起きるもちゃこも、6時に起きるcyanさんもこの日はぐっすりと寝ていた。前夜のお散歩もまた眠りの効果を上げたのかもしれない。そんな時、私は眠たい目を擦りながらも「そろそろ」と起き上がり何とか着替えた。すると、その時である。

ピーンポン。呼び鈴が鳴った。

「こんな時間から誰だろう?」「郵便じゃない?!」既に起きていたがパジャマ姿のcyanさんと、かろうじて着替えてはいるがスッピン、ボサ髪のもちゃこは顔を見合わせた。そして、次の瞬間。cyanさんはが囁くような小さな声で「おじいちゃん・・・」と言ったのだ。

(おじいちゃん・・・?)(トミーか?!来たのか!)私はビックリしつつも、冷静を装いドアを開けた。するとそこには、

「オラも仲間に入れて下さい」と言い佇むトミーの姿があった。

そこからは、旦那君、さーちゃんも起きてきて、トミーを囲うように皆が座った。さーちゃんは「心配したんだから・・・」と目に涙を浮かべている。トミーの話によると、一旦、自宅まで200キロの距離を車を走らせ帰ったトミーは、寝酒を浴び、ぐっすりと寝たらしい。目が覚めるとスッキリした脳とは引き換えに、「早まった!」という急に家を出たことへの後悔の念が生まれ、再び、車を走らせること200キロ。こうして、今、戻ってきたということらしい。

本当は、朝の5時前には近所に到着していたがさすがに寝ていると思い、7時を過ぎるまで呼び鈴を鳴らすのを我慢したとのこと。その間は、朝食を食べたり、公園を散歩したりしていたとか。70過ぎのじーさんだけど、凄いパワーだと嫌味ではなくある意味、感心した。

で、この後、どうなったかって??これで終わらないのがトミー。そう間も空けず、事件が起きることをこの時の私達はまだ誰も知らなかったのだ。